「個展の旅を本当にやめちゃうんですか? 楽しみにしてるんですけど…」という、後ろ髪を引かれる声をいただきながら、どうなっちゃうか自分でも全く分からない未来を選択して、早5ヶ月。
「さそり座の満月」が輝く夜の海に、小さな手漕ぎボートで乗り出していく。
そんな感覚の中、「星読み絵描き」という名の、私の新しい冒険は幕を開けました。
好奇心と不安がせめぎ合いながらも、自分の元にやってきた運命の流れを受け入れて、人生の新しいページをめくる。
心を決めたあの夜の身震いする様な感覚を、今でも思い出せます。
私が「星読み」活動をはじめていく上で恵まれていたのは、私のアートを本当に愛してくれている方が、この変化の間もずっと支えてくれたことです。
そのおかげで、どうにかこうにか糊口をしのいでこれました。
これまでにも急にラジオを始めたり、個展も毎回主題と作品を大きく変えて来た、という過去があるのですが。
それでもいきなり「占星術」というのは、けっこうな飛躍があったと、自分でも理解しています。
でもきっと、伝わる人には伝わるし、何より自分が占星術を通して体験した、「心の中の地図」を手に入れるような不思議な感動を、みんなにも体験してほしい!
、、という想いが、自制心の壁を打ち破るくらいに、強かったんですね。
確信があったんです。
これはきっと、自分にとっても、心のカタチが似ているみんなにとっても、今までより一段深い意味を持つ活動になると。
ホロスコープを読んで、そこから浮かび上がってくる心の世界をテーマに作品を描くという、今までに聞いたことのないような、ワクワクするアート活動になる、と。
そしてそれは、誰かの人生を前向きに後押しできる、私にとってもやりがいのある仕事になる、と。
普通の占い師さんなら、「こういう先生に師事しました」とか「何年勉強して何人占いました」とか、そういう事が信頼の前提になるのだと思います。
そういう一般的な道を通らずに、人知れず重ねた独学と実占を元に、私はいきなり「星読み」活動を開始することを、発表したわけなんです。(とてもmotocchiらしい行動なんですけど、、笑)
そんな私を信頼してくれて、ホロスコープを読ませてくれたみんなには、感謝しても感謝しきれない想いです。
ひとつ欠けても成り立たないパズル
私は「子供の頃から絵が好きで、美術を専門に学んで、アーティストの道に進んだ」というタイプの作家ではないんですね。
他人より長い学生時代を経験してから、どうにかこうにか社会に出て。
何とか人並みになりたくて、そこから身を粉にするように働いて。サラリーマンを10年続けました。
そんな生活の中で、心が擦り切れてしまった私に、人生を問い直す機会がやってきて。
そしてバックパックを背負って、自分探しの旅をしていく中で、偶然「絵」という表現方法と出会い、いつの間にか絵描きになっていた、という経歴なんです。
人生の波に翻弄されながら、紆余曲折しているうちに、気がついたらこうなっていたというパターンの作家です。
だからスタートの時点で、すでに「運命に導かれる」という体験が始まっていたんです。
でも、それをリアリティを持って感じられたのは、個展ツアーをはじめてからのことでした。
ずっと「これが最後の個展になるかもしれない」という、細い糸をたぐり寄せていくような状況で、個展の旅が続いて行ったんです。
資金面でも気持ちの面でも、ひとつでもボタンを掛け違えたら、次に進めなかった、という綱渡りを7年継続できたんです。
ちょっと生なましいかもですが、あの時あの人があの作品を購入してくれなかったら、あのオーダーがなかったら、その時点で私の旅は終わっていた、という感じなんです。
人との出会いについても同じです。
あの時あの人が、声をかけてくれなかったら、手を貸してもらえなかったら、そこから先の旅は続かなかった、という感じなんです。
ひとつ欠けても、成り立たないパズルだったんです。
それでも毎回ミラクルが起こって、一本の細い道が前に前に繋がっていく。
途中から、それを我が事ながらに、本当に不思議に思っていたんです。
必要な時に必要な体験が用意されていて、それを経験するたびに、新たな世界が、目の前に開示されていく。
自分の意思を超えたところで、導かれているという感覚でした。
この体験は私にとって劇的なもので、それまでの凝り固まった現実認識を、180度変えてくれました。
なぜ占星術なのか?
私自身に起こったこの一連の出来事を、どう解釈していいのか、私はずっとその答えを探していました。
個人的な体験であるとともに、それは多くの人との間で起こっていくミラクルの連鎖、でもありました。
だから世に言う「引き寄せの法則」という言葉では、ちょっと足りなかったんです。
そしてある時、ようやくこの体験に「枠組み」を与えられるものを発見したんです。
それが占星術でした。
雑誌やWEBでよく見かける星座による性格判断や、運勢判断を思い浮かべる方が多いと思うのですが、私を惹きつけたのは、それとはちょっと違ったものです。
生まれた時の、その人固有の天体の配置である「ホロスコープ」を解読する、占星術です。
それに出会った時、目からウロコが落ちる感覚を覚えました。
私は占星術と出会ったことで、人生を一本の物語として捉えることができ、経験してきたことの意味を、一段高い視点から理解することができるようになったんです。
ただ流されるまま生きるのではなく、主人公として生きる。
そのために必要な「冒険の地図」がそこにあったんです。
まさしく、お宝を探り当てた気分でした。
そのお宝の発見から、無我夢中で走ってきて、今に至っている感じです。
振り返れば、一つ一つ特別な輝きを放つ「星読み絵画」を、いくつも完成させ、古びた机の上から送り出すことができていました。
、、ということで、今回はちょっと振り返りを兼ねて、私の「変容」体験を書かせていただきました。
(ずっと私的な話でごめんね🙏)
最後まで読んでくれて、ありがとー!
Thanks!