「これを知らずに、ここから先の人生を生きていくなんて、もったいないと思いました」
先日、星読みセッションさせていただいた方に、言われた言葉です。
私が占星術の世界を知り、「星読み絵描き」になろうと決心した時、同じように感じた事を思い出しました。
生まれた時の天体の配置である「ホロスコープ」を読む事で、なぜその人の心の仕組みが分かるのか。
もっと言えば、どうして人生の流れさえ、そこから読み解くことができてしまうのか。
毎回、ご本人と答え合わせをしながら、セッションを進めているんですけど、毎回、不思議だなと思います。
この不思議に立ち会えることが、とても刺激的で楽しいんですね。
占星術って、本当に奥深いなと思います。
水瓶座の私にとって「星読み絵描き」は、この「なぜ?」の答えを探していく旅なのかも知れません。
駆け出しの身ではありますが、今の時点でも、ひとつ自信を持って言えることがあります。
それは「ホロスコープ」から読みとれる、ご自身の心の仕組みや、心のバランスの取り方のクセを知ると、今までよりずっと、楽に生きていける可能性がある、ということです。
意識という光で、心の宇宙を照らした時、そこには自分自身を再発見できる面白さがあります。
これは若い人よりも、ある程度、人生経験を積んだ人の方が、しっくりくるんじゃないかな、と思います。
人生の後半こそ本番
占星術を学んでいくと、人は60歳を超えてからが、むしろ本番なんじゃないかな、と感じることがあります。
それまでは、手習いの期間なんじゃないかとさえ思います。
沖縄に今年、「久夫美術館」という個人美術館をオープンさせた「知名久夫」さんという方がいるんです。
その方は、齢70歳を越えていらっしゃる現役の画家なのですが、11年もの歳月をかけて、なんと自分の手で、美術館を建設していったそうです。
廃材を再利用してご自身で作ったという、その美術館は、建設時のエピソードからは想像がつかないほど、オシャレで本当に魅力的な空間です。
そして展示されている作品群も、圧巻の一言です。
シュールでポップで洒脱な世界観と、ずば抜けた色彩感覚。
そこには生の歓喜と、人間という存在の面白さがつまっていました。
「こんなにすごいアーティストがいたのか!」とびっくりしました。
時間という魔法が、個性を熟成させる
インスタントな価値観に、毒され過ぎているんだと思うんです。
今の世の中って。
「こうすれば最短で上手くいくマニュアル」ばかりに夢中になって、本質を見失っている気がします。
「人が旅をするのは、目的地に到着するためではなく、旅をするためである」
これはドイツの詩人ゲーテの言葉なんですけど、とても上手いこと「人生」を「旅」にたとえている詩だなーと思います。
人生っていう尺で物事を考えた時、山あり谷ありは必然で。
失敗しないことばかり、先回りして考えてしまいがちですけど、失敗も未来の成功の種でしかないし、そんなことよりも、自分がどんな体験をできたかってことが、宝なんだと思います。
その瞬間その瞬間、ちゃんと自分の人生の主人公になって、楽しめたか味わえたか、それに尽きる気がします。
そうやって生きていったら、時間という魔法が、その人の個性を熟成させてくれるんだと思います。
いつか自分らしい花が咲く。
その力が、自分自身に宿されていること。
この人生を生き抜く力が、生まれた時に宇宙から、ちゃんと授けられていること。
「星読み」は、それを思い出す手助けだと思うんです。
ホロスコープに表現されている、オーダーメイドな心の宇宙のバランスを知るたびに、そう思います。
とかく若さやスピードに価値が置かれる、消費社会に生きているからこそ、「星読み」の観点から声を大にして言いたいんです。
あなたと言う個性が仕上がっていくまでには、あなたの人生という唯一無二の物語が仕上がっていくまでには、時間の魔法が必要なんですよ、と。
時間をかけて熟成するから、深くて面白いし、他に変えのきかない素敵なものが出来上がるんですよ、と。
それが自然だし、そうあるべきなんです。
焦らず自分のペースで、いきましょうねー!
今回も、最後まで読んでくれてありがとう。
Thanks!