この作品には、元になった作品があります。
それは、数年前に開催した個展「にじのかけらたち」の為に制作した「moonlit」と言う作品です。
ライオンのレオンが、満月の光を浴びている絵です。
これまでいくつか、これと同じモチーフで描いた作品があるのですが、それをXで投稿すると、毎回とても反響があります。
作者的には、みんなの心の中に共通して秘められている「ある感情」に、このモチーフは訴えかけているのではないか、と思っています。
純粋さは弱さなのか？
風の時代を迎えて、これから先は、きっと変わっていく。
私はそう思っているんですけどね。
これまでの社会って、心優しい人ほど苦しみを抱えるし、純粋な人ほど正解がわからなくなって、迷子になってしまう。
そういう世の中になっちゃってたと、思うんです。
みんな仲良く助け合って生きましょう、とか、正直さや素直さを大事にしましょう、と子供の頃は教わったはずなのに。
いざ社会に出たら、経済競争という名の大義名分の下に、そういう心がねじ曲げられてしまうような、世の中だったと思うんです。
生活していくためには、社会でやっていくには。
自分の純粋な心に蓋をしてでも、他人や世間から求められる「正解」を出すことが要求されて来た、と思うんです。
純粋な心は、大人の世界では「弱さ」や「未熟さ」と見なされて、それを表に出すことが許されなかった、と思うんです。
だから多くの人は自分の純粋さを、人目につかないように、隠してしまっていると思うんです。
満月の月明かりの下で、そっとその純粋な心を開放する。
みんなが寝静まった後、夜の優しさの中で、自分の本心を解放する。
この絵に、何かを感じてくれる人は、きっとそういうイメージをこの絵柄から引き出しているのではないか、と思うんです。
なぜ人生には挫折があるのか？
でも、どんなに大人のふりをして生きていても、純粋な自分の心に、どうしても向き合わざるを得なくなる。
そういう時が、人生にはあると思うんです。
右肩上がりの人生を生きて、そのまま天寿を全うする。
そんな人は、どこを探してもいないと思います。
どんな人の人生にも、晴れの日のシーンもあれば、雨の日のシーンもあって。
その中に挫折という経験は、必ず織り込まれているものだと、感じます。
そして多くの場合、この挫折という苦い経験を通じて、私たちは純粋な自分に立ち返るチャンスを得ていると、言えると思うんです。
仕事で行き詰まったり、夢が破れたり、人間関係が破綻したり。
こういった時、私たちは足を止めて、自分の本心と向き合う必要に迫られます。
自分の純粋な心に、向き合わざるを得なくなるんです。
なぜ人生には挫折のような体験があるのか？
それは、穢れを祓う（けがれをはらう）ように、まっさらな自分の心に戻るためにあるのではないか、と思うんです。
それまで作り上げてきた自分を一度手離して、ゼロに戻ってリスタートする。
その時が来た合図、なんだと思うんです。
パーフェクトサークル
この作品をオーダーくださったMさんは、占星術で「土星回帰」と呼ばれる、土星の影響が強く出る期間に、苦しい体験をされていたそうです。
占星術の世界では、土星の運行と、挫折のような苦い体験が関係していることが知られています。
だから古来から土星は「凶星」とされ、恐れられてきました。
でも、この解釈って、ここまで読んでくれたあなたなら分かってくれると思うんですけど、「人間のエゴイズム」でしかない気がするんですよね。
次の春が来るためには、冬を越さなければならない。
咲いた花は一度枯れて、また種から芽を出して再生する。
自然のサイクルにたとえるなら、そういう話なんだと思うんです。
一度リセットするからこそ、その先の未来に自由と可能性が広がるんです。
Mさんは、この土星の影響が強く出る苦しい期間が終わった後、あれよあれよと言う間に、人生が明るくなり、良い方向に物事が進んでいったそうです。
その間に経験した不思議な出来事の意味や、自分の人生に起きた変化が、何で起きているのかを知りたくて、私に星読みをオーダーしてくださいました。
ハッピーなことが続くと、不安になる人っていると思うんです。
おそらく、「これから先も大丈夫ですよ」という太鼓判を押して欲しくて、ご連絡いただいたと思うんですけど。
Mさんのホロスコープを紐解いて、そのまま「これから先も大丈夫ですよ、自信を持って進んでください！」という太鼓判を、私はMさんに押させていただきました。
宇宙は完璧なバランスなんです。
パーフェクトな循環なんです。
「０」には無限の可能性が秘められていて、「０」からまた新しい「１」が生み出されるんです。
私にとっては、あらためてその事を教えてもらったような、星読みでした。
この作品をオーダーくださったMさんに、心より感謝してます！
Thanks!
