星読み絵描き

もとっちノート


『心に光を感じる方へ』

10年以上、詩を書いてきて思うのは、日本語ってとても詩的な言語だと言うことです。

仕事の場面で必要に迫られて、大人になってから「ロジカル・シンキング」を学ぶ方って、けっこう多いと思うんです。

文章の書き方や考え方を、欧米風のロジック(理屈)に基づいたものでやりましょう、というものですね。

「ロジカル・シンキング」の本に手を伸ばしてみたり、そういうビジネス講習を受けたことがある方も、いらっしゃると思います。

ここ数十年、もてはやされてきたものなので、意識していなくても、「ロジック」やら「エビデンス」やらの、怪しいカタカナ・ビジネス用語(…笑)を通じて、触れている方が多いと思います。

そこで気がつく方は、気がつくと思うんです。

普段使っている、日本語の特殊性に。

主語をはっきりさせて、「誰が・何を・いつ・どこで・どうするのか」を明確にしなさい、と教わるわけですけど、まーそう言う風に無理にやらないと、ロジック(理屈)と言うものが成り立たないんです。

ビジネスの場面では、論理的に整合性のある、誰にでも分かる文章が必要だから、「欧米風に」それが求められるわけですけど。

でもそもそも日本語って、そういうことの為にある言語ではないのだと、私は思っています。

主語がなくても成立してしまうし、寄せては返す波のように、連なっていく言葉の言い回しの中に、深い情緒や情感を忍ばせることができる。

とても詩的で音楽のように響く言語で、それは究極的には祈りの為にあるものなんじゃないかと、私は思っています。

「言霊(ことだま)」という言葉がありますが、その魂の部分に意識的になればなるほど、日本語に宿っている不思議な力を実感します。

「ありがとう」っていう言葉ひとつをとっても、そこに様々な感情の機微を込められる私たちって、実はとても恵まれていると思うんです。

「おつかれさま」っていう言葉も、英語には翻訳できなかったりするわけで。

その素晴らしさに、もっと自覚的になっていいと思うんですよね。

「欧米かっ!」ってギャグが、一昔前に流行ったことがあったと思うんですけど、日本語には日本語の特殊性があって、それを使うことで育まれていく、豊かな世界観があるんです。

それは何物にも変え難いものだし、正しく使っているうちに、自然と精神性をも、高めてくれるものになっているんだと思うんです。

欧米に「右へならえ」をしてきた戦後の社会が、ガタガタになっていくのを、今、みんな感じていると思うんです。

そんな中で何を指針して生きて行ったらいいのか、どこからやり直したらいいのか、きっとみんな迷っているんじゃないかな、と思うんです。

私は明確に、その答えは「日本語」の中にあると思っています。

帰るべき原点も、新しい始まりの芽も、全ては「言葉」の中にあるんです。

日本語の「言霊(ことだま)」に自覚的になること。

そこからまた、新しい未来を創造していくことができるのだと思っています。

そういう意味で、言葉は行先を照らしてくれる光なんです。

作品の制作イメージ

この作品をオーダーくださったKさんのホロスコープから読み取れたのは、普段のなにげない生活の中に祈りがあるという、古くからこの国で大切にされてきた感受性への回帰です。

ジョンレノンさんのイマジン、じゃないですけど「魂に性別も国境もない」と、私は思っているタイプです。

でも、それでも自分の属性や、生まれた国や地域には、それぞれに意味があると思うんです。

おそらく選択しているはずなんです、生まれてくる時に。

心を込めて丁寧に、普段の生活を暮らしていくことが、そのまま精神修行に変わっていく。

言霊(ことだま)の世界や、古来から続くこの国の文化に目を向けると、そこにはそんなシンプルで実践的な、魂の磨き方を見出すことができます。

Kさんのホロスコープには、こうした日々の暮らしの中で自分を磨いていく道筋が、刻まれていました。

この作品に描いたオッドアイの猫の「シロ」は、神さまから派遣された「お目付役」として、描いているキャラクターです。

人間が「天使の見習い」だとするならば、ちゃんと天使になって大空を羽ばたけるように、導いてくれる存在です。

「シロ」が、Kさんの道案内をしてくれるといいなーと思って、描かせていただきました。

この作品をオーダーくださったKさんに、あらためて感謝してます!

Thanks!



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