〜The light of Antares〜

「アンタレス」とは、赤く輝く一等星で、さそり座の星です。
この作品をご依頼くださったTさんのホロスコープを、読ませていただいた時、「ストレートに内容をお伝えてして良いものだろうか?」と少し迷いました。
というのも、ホロスコープが示しているTさんの本質と、私が最初にもったTさんの印象(それは月星座が表している印象でした)との間のコントラストが、かなりハッキリされていたからです。
内面と外面、太陽星座と月星座のギャップが葛藤を生んでいる、それが明瞭に表れている星の配置でした。
そんなこともあって、最初はおそるおそるセッションさせていただいたのですが、その心配は私の勝手な杞憂に終わりました。
お話しをさせていただくと、Tさん自身、これまでの自分の殻を脱ぎ捨てて、新しい自分に生まれ変わる、まさにその「変容」の真っ只中にいる、という感じでした。
太陽星座に向かってすっと立ち上がって、勇気を出して自分の足で歩み出す、その大いなる一歩に立ち会えた気がして、私はとても嬉しい気持ちになりました。
私たちは子供の頃に創り上げた自己像を、自分の本質だと思い込んでしまうんですよね。
でも、いつかその限界に気がつく日がやってきます。
それは多くの場合「挫折」という経験を通して分かるので、辛いし痛いのですが、その気づきを生かせるかどうかが、その後の人生の明暗を分ける分岐点になるのだと思います。
ある意味それはギフトでもあり、内なる惑星がくれる、本当の才能の扉を開く「鍵」でもあるんだと思います。
ホロスコープを読ませていただくことで、その扉を開くお手伝いができたらと思っています。
Tさんの場合は、すでにご自身で気がついて、新しい自分に向かって歩み出していらっしゃったので、天体の配置からその裏付けをお話しさせていただき、エールを贈らせていただいた、という感じです。
作品の制作イメージ
深い情動の世界を、紫から青のグラデーションで表現してみました。
そこに向かって、手を伸ばす(一歩前に踏み出す)イメージを加えて完成させました。
星々の配置は、「さそり座」になっています。
ちなみに、「アンタレス」の星言葉は「内面を見つめる瞳」だそうです。
まさに今回の星読みにぴったりでした。
「星言葉」って味わい深いものがありますね。
この作品をご依頼くださったTさんに、あらためて感謝申し上げます。
motocchi