
この世界に生まれてから、私たちは絶えず「役割」を与えられ、それを演じることを求められている。
まるで演劇の舞台に、いつも立たされているようで。
渡された配役を、うまく演じることに躍起(やっき)になっている。
そんな風に感じたことって、ないですか?
「役割」を全部取り払ってしまったら、私に何か残るんだろうか?
そんな風に思ったことって、ないですか?
子どもは子どもらしく。大人は大人らしく。
仕事の場面ではお客さまから見た、プロを演じなきゃならないし。
家庭に帰れば、良き妻であれ、良き母であれ、良き夫であれ・・・という感じで、「役割」の拘束は、眠っている時間を除いてずっと続いていくわけです。
この世界が映画「マトリックス」で描かれたような、ある種のバーチャル・リアリティだとすると、そのリアリティを担保するための「お約束」が、私たちが「役割」を受け入れ、それを演じるということなんです。
役割を演じない人間は、「マトリックス」の外に追放されてしまうわけです。
みんなが配役を得ている舞台から、一人降板させられてしまうわけです。
だから私たちは必死に、誰がこしらえたかも分からない「演じるべき役割」を、粛々と演じて生きているわけです。
でも、時々それが息苦しくなって、「あーうざー!!!」って全てを放り投げ出したくなる時って、あると思うんです。
「マリオネットなんてやってられるか、おりゃー!!!」って大暴れしたくなる時って、あると思うんです。

絶対、あるでしょ?…(笑)
隠してもムダですよ、ワレワレハ同じ人間ですからね。
私は、人間は遠く天上の神々の子孫だと思っているのですが、神話の世界の神々は、もっとはちゃめちゃなライフスタイルを謳歌(おうか)しています。
古事記でも、ギリシア神話でも。
読んでみるとわかりますけど、恐ろしいほどにめちゃくちゃですよ…(笑)そこが最高なんですけどね。
人間以上に感情的で、エネルギッシュで、崇高さと、それに相反する荒ぶる性質も兼ね備えていて。
輝きの強さと陰影の深さを感じる、とても魅力的な神々の姿が、そこにはあります。
その地上の子孫である私たちが、作っている世界のなんとせせこましいことよ…(笑)
与えられた役割を演じることに、精一杯で。
よくよく考えれば、どうでもいいような小さな差違にこだわって。
あてがわれた役割を失うことに、日々、戦々恐々としている私たちを、神々はどんな目で見ているだろう?
・・・なんて、妄想癖の強い私は、たまに思ったりします。
リリスの話

この作品の真ん中で、蝶々の羽をつけてウクレレを引いている、ちょっと天使に似たキャラクターは「リリス」と言います。
今年に入ってから、私の絵の世界に現れたキャラクターなのですが、興味を持ってくださる方がとても多くて、作者としてはとても嬉しいなー、と思っています。
「リリス」という名前は、占星術では「月の遠地点」を表す言葉として、知られています。
月の軌道の中で、月が地球から最も遠く離れるポイントに、「リリス」という名前がつけられているんです。
天体でもないのに、わざわざそのポイントに名前がつけられているんです。意味深でしょう?
生まれてから絶えず与えられ演じさせられる、この世界の住人としての「役割」に、疑問を持つ人にとっては、この「リリス」の持つ意味は、ひとつの啓示を与えてくれるんじゃないかなーと、私は思っています。
特にこの世界で、女性に与えられ、女性が演じることを求められる「役割」に、疑問を持つ方にとっては、自分を解放するためのインスピレーションを与えてくれると思います。
ちょっと奥歯に物が挟まったような言い方に、なっちゃってますが、ブログに書けることと書けないことがあるんです…ということで、ご理解くださいね🙏
もっと深く知りたい方は、ぜひ星読みをご依頼ください!
星読みセッションでは、「リリス」の話もざっくばらんにお話ししてます。
夢弦のメロディー

この作品をオーダーくださったKさんは、私のアート活動を古くからずっと支えてくださっている方です。
私は絵描き詩人・絵本作家として活動をスタートさせてますので、今ではそのイメージからすると、かなり距離のあるところまで変化を遂げてきたと思います。
お蕎麦屋さんだと思って通ってたのに、いつの間にかそのお店は、カレーうどんを看板メニューにしていたみたいな・・・(笑)
それでも変わらずにずっと応援してくれるKさんには、いくら感謝してもしきれない想いです。
「心の形が似ている仲間たち」という言葉を、活動の初期から使わせていただいていますが、この言葉は伊達ではないなーと思います。
心のどこかに本当に似ている部分があって、そこで繋がっているんだと思います。
この作品は、Kさんの人生の節目をお祝いするための、記念の作品として、描かせていただいたものです。
この作品の中で「リリス」が座っている花は、「ヒスイカズラ」という植物です。
多分、見たことのない人の方が多い植物だと思うんですけど、その美しさは、ちょっと比較できるものがないくらいだと、私は思っています。
数年前に、群生している秘密の場所に連れて行ってもらう機会があって、そこでこの花に出会った時、心底感動しました。
「天使の形をしている!なんて綺麗なブルーなんだろう」って、驚かされたんですよね。
それから数年、いつか「ここだ!」と思った時に使おうと、このモチーフは大切に温めていたんです。
今回、Kさんから「星読み絵画」のオーダーをもらって、Kさんのお祝いにふさわしいモチーフだなー!と思い、満を持して描かせていただきました。
私の中にある「リリス」のイメージを、キャンバスの上に解き放てた気がしています。
この作品をオーダーくださったKさんに、あらためて感謝してます!
Thanks!