人生には、「土星回帰」(サターン リターン)という期間があると、占星術の世界では言われています。
土星の公転周期は、約29年です。
この周期の中で、自分の生まれた時の土星の位置に、土星が戻っててくる期間を「土星回帰」と呼ぶそうです。
大体の人は20代の終わりと50代の終わりに、この期間を経験するという事ですね。
この期間は、自分のそれまでやって来たことが、試される期間であり、また人生の課題に直面する「試練」の期間だと、占星術の世界では解釈されています。
「土星」って輪っかもあって、ポップな星なのかと思いきや、占星術的には、どちらかというと怖い星なんですね。
好むと好まざるとに関わらずに、土星に現実的な世界でお尻を叩かれて、人間的な成長を促されるっていうことですね。
この「土星回帰」と同じく
土星が自分の太陽星座に入っている期間もまた、試練の時期になりやすいとされています。
占星術で「太陽」は自我・自意識を表しますので、自分がこうしたい!と言う意思に対して、土星が制限をかけてくる構図になる、ということです。
自分がこれまでやってきた事や、自分のあり方を、再考せざるを得ない状況が、外からやってきやすいと言うことですね。
それは考えようによっては、自分を変えるチャンスでもあるし、メンテナンスの期間でもあるわけです。
土星は今「魚座」に入っているので、もしかすると「魚座」の方は、こうした期間が始まっているかも知れません。
私も、まさについこの間まで、土星の影響を強く受ける期間が続いていました。
私の太陽星座は「水瓶座」なんですけど、今年の3月まで約3年間に渡って、土星は水瓶座を運行していたんです。
コロナ禍と重なっているので、なおさらではあるのですが、それを差し引いても振り返ってみて、うなずける感覚があります。
私の課題
思い当たる事は色々とあるのですが、ひとつあげると、この期間で私は「人の名前を覚えられない」という、弱点を克服する機会を得ました。
若い時から恥ずかしながら、人の名前が全然覚えられなかったんです。
オイオイって感じですが、会社員時代は職場の同僚の名前すら、あやういくらいで。
初対面の方がたくさん集まる様な会議の場面では、名刺交換したその後、本当にヒヤヒヤしてましたね。
今から思えば、名前を覚える努力を怠っていただけなのですが、それを自分のキャラクターで誤魔化して、どうにかやって来てしまったんです。
それはその時までの、私の他者に対するスタンスを象徴していました。
とても水瓶座的な傾向だと思うんですけど、目の前の生身の人間に、一対一で向き合うことを、どこかで避けてきてたんですよね。
本当はクールじゃないのに、一歩引いてクールに振る舞ってしまう。
そんな私が変わるきっかけを得たのは、コロナ禍の個展会場です。
少し前の世の中の、イベントに対する自粛ムードってすごかったじゃないですか?
そんな中で、いろんな事情を乗り越えて、個展に来てくれる人たちの姿を見た時、思ったんです。
こんな風に、ある意味では危険を冒してまで、100パーセントの想いを持って自分に会いに来てくれる人に、私も人間として100パーセントで返したい。
いや、アーティストなんだから、ちょっとプラスして自分なりの120パーセントでお返ししたいって。
コロナ禍が始まった当初、本当に貴重品だったアルコール消毒液を、差し入れしてくれた方がいたんです。
その方にサインを書く時に、私は名前を覚えてなくて、それが相手に伝わった時、その方がすごく悲しそうな顔をされたんです。
相手は私を覚えてくれてるのに、私は相手の名前を覚えていない。
そんな自分を心底、恥ずかしく思いました。
「これじゃだめだ」と痛感して、自分を変える決心をしました。
自分を変える作戦
それから自分の中で「名前を覚える作戦」を密かに開始したんです。
お名前を伺った時は、忘れないように、すぐに見えないところでメモに書きとめてました。
顔が思いだせるように、その方の印象やちょっとしたエピソードも添えて。
それを次の個展までに、何度も読んで記憶していきました。
個展直前には、まるで学生時代のテスト前の気分で、メモを復習して頭にたたき込んでから、会場の扉を開けました。
そして、会場に入って来られたタイミングで、こちらからお名前でお声がけをさせていただく、というチャレンジを行いました。
もちろんそれまでの人生で、人の名前を覚える努力を一切して来なかった私なので、やらかしてしまった出来事もたくさんありました。
別人の名前を、自信満々で言ってしまったり。
「あー、あのあの、あれですよね。すいません、最初の一文字ください!(汗)」と、軽くパニックになってしまったり。
そんな私でも、この作戦を継続していくうちに、段々来てくださる方の顔と名前が一致してきて、どんどん関係が近くなっていくのを感じました。
できることなら、友達のように思って欲しいと願っているのに、その最初の一歩を、私の方が踏み出してなかったんだと気がつきました。
名前を覚えると、不思議なくらい距離が縮まるし、本当に名前って魔法の言葉だなって思いました。
そうこうしているうちに、いつの間にか「 motocchiさんって、記憶力すごいですよね。名前を覚えてくれて嬉しい!」と言われるようになってました。
まるで最初からそうだったかのように、クールに振る舞っていたかも知れません、、(笑)
でも実は、白鳥の湖の水面の下は、こんな感じで自分の課題に取り組んでいたんです。
最初は必死にバタ足してたんですが、いつの間にかスーッと泳げるようになってました。
振り返ってみて、「名前を覚えられない」ということは、私にとって理想的な人間関係を築くことを阻害していた、ずっと長いことボトルネックになっていた部分だったようです。
土星が水瓶座を抜けた頃、昔から私を知る人から、突然言われたんです。
「最近、なんだか本当に人間らしくなったよね。すごく良いと思うんだけど、どうしてそんな風に変われたの?」と。
その言葉が嬉しかったし、人間っていくつになっても変われるんだなって、実感しましたね。
私に訪れたように、土星の影響が強い期間は誰にも訪れます。
「土星回帰」の時もそうですし、土星が太陽星座に入っている期間もそうですし、他の天体との関係で影響が強く出る時期もあります。
これは避けようのないものなので、メンテナンス期間と考えるのが正解なんでしょうね。
まー、その期間に限らずなんですけどね。
自分の殻を脱ぎ去って新しい自分になる事は、気持ちひとつで、何歳になってもできる事なんだと思うんです。
空に浮かぶ天体たちは、その事を私たちに教えてくれている。
そんな風に思いました。
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
魚座の方はファイトです!
「星読み」でお力になれるかも知れませんので、よかったらご相談くださいねー。
※2024/08/14追記
この記事を書いた当時、土星回帰と太陽星座に土星が入ることを、なぜかごっちゃにして書いてしまっていました…OMG(ごめんよ🙏)そのため、内容を修正して再公開してます。