星読み絵描き

もとっちノート


「人は変われる」という話

人生には、「土星回帰」(サターン リターン)という期間があると、占星術の世界では言われています。

土星の公転周期は、約30年です。

この周期の中で、自分の太陽星座に土星が入ってくる期間を、「土星回帰」と呼ぶそうです。

大体の人は人生で 2〜3回、土星が自分の太陽星座に帰ってくる期間がある、という事ですね。

この期間は、自分のそれまでやって来たことが、試される期間であり、また人生の課題に直面する「試練」の期間だと、占星術の世界では解釈されています。

「土星」って輪っかもあって、ポップな星なのかと思いきや、占星術的には、どちらかというと怖い星なんですね。

好むと好まざるとに関わらずに、土星に現実的な世界でお尻を叩かれて、人間的な成長を促されるっていうことですね。

土星は今「魚座」に入っているので、もしかすると「魚座」の方は、人生のチャレンジ期間が、始まっているかも知れません。

私の「土星回帰」は、まさについこの間まで続いていました。

私の太陽星座は「水瓶座」なんですけど、今年の3月まで約3年間に渡って、土星は水瓶座を運行していたんです。

コロナ禍と重なっているので、なおさらではあるのですが、それを差し引いても振り返ってみて、うなずける感覚があります。

私の課題

思い当たる事は色々とあるのですが、ひとつあげると、この期間で私は「人の名前を覚えられない」という、弱点を克服する機会を得ました。

若い時から恥ずかしながら、人の名前が全然覚えられなかったんです。

オイオイって感じですが、会社員時代は職場の同僚の名前すら、あやういくらいで。

初対面の方がたくさん集まる様な会議の場面では、名刺交換したその後、本当にヒヤヒヤしてましたね。

今から思えば、名前を覚える努力を怠っていただけなのですが、それを自分のキャラクターで誤魔化して、どうにかやって来てしまったんです。

それはその時までの、私の他者に対するスタンスを象徴していました。

とても水瓶座的な傾向だと思うんですけど、目の前の生身の人間に、一対一で向き合うことを、どこかで避けてきてたんですよね。

本当はクールじゃないのに、一歩引いてクールに振る舞ってしまう。

そんな私が変わるきっかけを得たのは、コロナ禍の個展会場です。

少し前の世の中の、イベントに対する自粛ムードってすごかったじゃないですか?

そんな中で、いろんな事情を乗り越えて、個展に来てくれる人たちの姿を見た時、思ったんです。

こんな風に、ある意味では危険を冒してまで、100パーセントの想いを持って自分に会いに来てくれる人に、私も人間として100パーセントで返したい。

いや、アーティストなんだから、ちょっとプラスして自分なりの120パーセントでお返ししたいって。

コロナ禍が始まった当初、本当に貴重品だったアルコール消毒液を、差し入れしてくれた方がいたんです。

その方にサインを書く時に、私は名前を覚えてなくて、それが相手に伝わった時、その方がすごく悲しそうな顔をされたんです。

相手は私を覚えてくれてるのに、私は相手の名前を覚えていない。

そんな自分を心底、恥ずかしく思いました。

「これじゃだめだ」と痛感して、自分を変える決心をしました。

自分を変える作戦

それから自分の中で「名前を覚える作戦」を密かに開始したんです。

お名前を伺った時は、忘れないように、すぐに見えないところでメモに書きとめてました。

顔が思いだせるように、その方の印象やちょっとしたエピソードも添えて。

それを次の個展までに、何度も読んで記憶していきました。

個展直前には、まるで学生時代のテスト前の気分で、メモを復習して頭にたたき込んでから、会場の扉を開けました。

そして、会場に入って来られたタイミングで、こちらからお名前でお声がけをさせていただく、というチャレンジを行いました。

もちろんそれまでの人生で、人の名前を覚える努力を一切して来なかった私なので、やらかしてしまった出来事もたくさんありました。

別人の名前を、自信満々で言ってしまったり。

「あー、あのあの、あれですよね。すいません、最初の一文字ください!(汗)」と、軽くパニックになってしまったり。

そんな私でも、この作戦を継続していくうちに、段々来てくださる方の顔と名前が一致してきて、どんどん関係が近くなっていくのを感じました。

できることなら、友達のように思って欲しいと願っているのに、その最初の一歩を、私の方が踏み出してなかったんだと気がつきました。

名前を覚えると、不思議なくらい距離が縮まるし、本当に名前って魔法の言葉だなって思いました。

そうこうしているうちに、いつの間にか「 motocchiさんって、記憶力すごいですよね。名前を覚えてくれて嬉しい!」と言われるようになってました。

まるで最初からそうだったかのように、クールに振る舞っていたかも知れません、、(笑)

でも実は、白鳥の湖の水面の下は、こんな感じで自分の課題に取り組んでいたんです。

最初は必死にバタ足してたんですが、いつの間にかスーッと泳げるようになってました。

振り返ってみて、「名前を覚えられない」ということは、私にとって理想的な人間関係を築くことを阻害していた、ずっと長いことボトルネックになっていた部分だったようです。

「土星回帰」の期間が終わった頃、昔から私を知る人から、突然言われたんです。

「最近、なんだか本当に人間らしくなったよね。すごく良いと思うんだけど、どうしてそんな風に変われたの?」と。

その言葉が嬉しかったし、人間っていくつになっても変われるんだなって、実感しましたね。

私に訪れたように、「土星回帰」は誰にも訪れます。

まー、その期間に限らずなんですけどね。

自分の殻を脱ぎ去って新しい自分になる事は、気持ちひとつで、何歳になってもできる事なんだと思うんです。

空に浮かぶ天体たちは、その事を私たちに教えてくれている。

そんな風に思いました。

今回も最後まで読んでくれてありがとう。

「土星回帰」中の、魚座の方はファイトです!

「星読み」でお力になれるかも知れませんので、よかったらご相談くださいねー。



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