今月の壁紙カレンダー

今月の作品のタイトルは「森の中のリリス」です。
先日、深い森の中を歩いていた時に、この世のものとは思えないくらい美しい蝶が、大きな葉っぱの上にとまっているのを、目撃したんです。
薄暗い森の中で、そこにだけピンスポットの光がさしていて。
光の中でゆっくり羽を開いた、艶やかな蝶の姿に、心を奪われました。
今思い返してみても、とても幻想的な光景で。
それを見てから、ずっと何かふわふわしているんですよね、心が。
ちょっと大袈裟かも知れませんけど。
まるでその時から、その蝶が誘う異世界に、意識の通路が開いてしまったような…そんな気がするくらい。
美しいものに意識を飛ばされる体験には、とても神秘的なものがありますね。
この作品は、その時に見た蝶の姿と「リリス」のイメージを重ねて描いたものです。
リリスとは?
この作品のタイトルにつけた「リリス」と言う言葉は、占星術では、ぐるぐる回っている「月」の軌道の中で、「月」が最も「地球から離れる地点」を指す言葉として、使われています。
(なんのこっちゃ?だと思いますが、ちょっと頑張ってついて来てくださいね🙏)
宇宙の構造は、人間の運命や、心の中の世界に反映している。
宇宙のようなマクロの世界と、人間が体験するようなミクロの世界は、よく似た構造になっている、というのが占星術の基本的なアイデアです。
そういう視点で見れば、この月の軌道の最遠を示す「リリス」も、人間が体験する世界の中の、何かに反映していると考えられるわけです。
「リリス」が何を表しているのかについての解釈は、占星術師によってさまざまです。
その人の「秘められた魅力や欲求を表すポイントである」と言う解釈だったり。
「実現することはないが、ずっと持ち続ける願望である」という解釈だったり、色々あります。
例のごとく答えのない世界なので、さまざまな解釈があるわけですけど、「ずっとあるけど現実化しないもの。秘められているもの」を表すと言う点は、基本のレシピになっている気がします。
ちょっとナゾナゾのような感じで、何言ってるの?って感じだと思いますけど…まー、人の人生とは神さまから贈られる「大いなるナゾナゾ」のようなものだ、と前向きに考えて、ついてきてくださいね!(笑)
自己実現の対極にあるもの
私たちはこの数十年、「自己実現」と言う言葉を、信奉しすぎて来てしまったのではないか、と思うんです。
現実世界で何かを形にしたり、目に見える結果を残さないと、価値がない、意味がないと、どんどん思い込まされて来ちゃったんじゃないか、と思うんです。
本当は、そんなことないじゃないですか?
お金や仕事といった形ある何かにつながらなくても、人生を充実させてくれる活動って、たくさんあるし。
暇な時間や、目的を持たないぼーっとする時間だって、人生の豊かさを感じる一つの要素でしょ。
想像や空想の世界にだって、そこでしか味わえない素晴らしい充実があるし。
他人に伝わらなくても、自分の胸の中に秘めて大事にして、それで満足する想いだってあるでしょう。
そろそろ価値観のバランスをとるべきタイミングが、来ているんじゃないかな、と思うんです。
「目に見える価値」という尺度に依存しすぎると、人間の精神が、物質的な世界に依存しすぎて、そこから抜け出せなくなってしまうと思うんです。
本当はもっと、人間の精神は自由で、どこへでもいけるものだと思うんです。
(ジョンレノンさんの「イマジン」という曲を、知っている方は脳内再生してみてくださいね!)
「リリス」が表すのは、「自己実現」の対極にあるものです。
私は蝶の姿にそのイメージを重ねましたけど、ふわっと地に足がついていない、というのがポイントで。
地に足をつけないからこそ、現実に捕まらずに、飛べるんです。
現実から抜け出すための秘密の扉のようなものだと、私は捉えています。
森の中で、私の意識を一気に飛ばしてくれた、あの美しい蝶は、その扉を少しの間、開いてくれました。

いちおう付け加えておくと…地に足をつけて、現実世界を生き抜くことも、もちろん、人として体験すべき大事な経験の一つです。
でも、もう十分それをやって来ている人が、大半なんじゃないかな、と思うんです。
「過ぎたるはおよばざるがごとし」で、やりすぎるとバランスを崩してしまうんです。
無限に広がっていく精神的な喜びや、神秘の世界を身近に感じる感受性を、そろそろ封印から解いてあげても、いいのではないかと思うんです。
芸術作品って、本来はそこに人を誘う役割を果たすべきものだと、私は思うんですよね。
美しさで、人は飛べるんです。
小説も音楽も絵画も、ここではないどこかに意識を連れ出してくれる、秘密の扉であってほしいなー、と思います。
、、というわけで、今回も最後まで読んでくれてありがとー!
みんなの5月が素敵な月になりますように🌟
Thanks!