星読み絵描き

もとっちノート


母への葛藤と月星座(Part3)

このブログの中で、公開からずっと読み続けられている記事のひとつが、「母への葛藤と月星座」と言う記事です。

母親との関係に対する苦悩や葛藤を、星読みの視点から考察した、ちょっとヘビーな記事なのですが、やはり関心を持たれる方が多い話題なのだなー、と思っています。

ざっくりこの記事で書いた事をまとめると・・・

現代社会では、母親の精神的な支配を受けて、大人になってからもそこから脱せずに、悩み続ける方がとても多いんです。

程度の差こそあれ、ご相談いただく方の多くに共通する悩みになっています。

占星術の世界で「母」を象徴するのは、「月」という天体です。

子供時代に形作られた「母親による精神的な支配」が、大人になってからも人を束縛し続ける、と言うのは、実はホロスコープ上の「月」が、私たちに与えている影響と、ほとんど同じ話になっていると言うのが、私の意見です。

そう言う意味で、自分を無意識に束縛している鎖から、解き放たれるためには、ホロスコープを読んでみることが有効ですよー、と言うことを、記事に書かせていただきました。

実際、星読みをしていると、「月星座」がどれほど人に影響を与えているかに、驚かされます。

みな知らず知らずの間に、「月星座」にからめ取られて、人生の時間を奪われていきます。

、、とまぁ、こんな感じの話なので、もっとキラキラした占星術を期待される方には、不評なんじゃないかな?と勝手に思っていたのですが、結構みんな読んでくれるので、この記事の続きを、書いてみようと思っています。

長文記事になってますので、このテーマにご興味ある方だけ、続きを読み進めてくださいねー!

結局「月星座」って何だろう?

ホロスコープを読んで、自分の「月星座」を知ると、ハッとされる方が多いと思います。

多くの方は知らぬ間に、ご自身の「月星座」が表す性質から、仕事やキャリアを選んでいます。

そしてそれを、幸不幸・成功失敗の基準にしてしまっているがゆえの苦しさを抱えて、生きています。

頑張っても頑張っても、報われなかったり。

たとえ社会的に成功しても、心が空虚で満たされなかったり。

周囲の期待に振り回されて、消耗してしまったり。

実際のところ、生の充実感をそこから得られていないケースが、多いと思います。

それなのに、まるで月の光に幻惑されるように、人は無自覚に「月」に引き寄せられ、「月星座」を生きて行ってしまうんです。

この「月星座」の性質は、幼少期の母親との関係で、形成されると言われています。

母親の期待に応えて、愛のエネルギーの供給を得ようとすることで、生まれてくる性質だと思います。

問題なのは、大人になっても、それが本当の自分自身だと思い込んだまま生きていってしまう人が多い、ということなんです。

本来は、自我が芽生えてくる過程で、「月星座」は卒業するべきものなんだと思います。

母親の期待に応えるための、自己像ですからね。

自分の人生を生きるためには、自我の芽生えとともに、精神的な意味で、母親との「へその緒」を切らなければならないんです。

かつて母や周囲の人に依存していた、愛のエネルギーの供給源。

それを「自家発電」に、切り替えなければいけないんです。

でも、これが難しいんですよね。

ほんと、現代社会では。

愛という言葉を使っちゃいましたが、期待することと表裏一体の失望とで、「愛憎」がないまぜになって、関係がこじれてしまうケースも多いと思います。

これは母親との精神的な「へその緒」が切れていない状態を、暗示していると思います。

私の疑問

まー、これが私が考える「月星座」と言うものなのですが、その中で解けない疑問があったんです。

たしかに無意識レベルで「月星座」に支配されて、人は苦しんでいるように見える。

母親との関係性で作られる、というのもおそらく当たっている。

だけれども、母親が本当に要因なのであれば、同じ母親から生まれてくる兄弟姉妹の「月星座」が一致したり、同じ悩みを抱えていないと、理屈がちょっと通らないんじゃないかな?という疑問です。

自分の兄弟を考えても「月星座」は一致していないし、同じ家で育っても、性格も生き方もだいぶ異なっている、という事実があります。

子供っぽい疑問かも知れないのですが、私にとってはこの部分が、解せなかったんです。

そんな疑問を胸に抱きながら、星読みセッションを重ねていくうちに、この疑問を解き明かすための、幸運な機会を得ることができたんです。

それは、何組かのご家族のホロスコープを、まるまる全員分読ませていただく、という体験でした。

そこから私なりに導き出した結論は、子供はそれぞれに必要な「月星座」の性質を、母親から勝手に引き出している、ということです。

人って実は、さまざまな顔を持ってるじゃないですか。

仕事場ではミスを許さない厳しい人も、家に帰れば自分の部屋が片付けられなかったり。

外では寡黙で物静かな人が、家庭の中ではおしゃべりだったり。

そんな風に、基本的にいろんな顔を持っているんです、私たちって。

自覚がない方も多いと思いますけどね。

他人からは、その矛盾さえはらんだ「いくつもの顔」が、良く見えていたりします。

子供はそういう意味で、母親の中から、特定の「ある一面」を取り出して、そこに対して自分の「月星座」の性質を形成しているように、私には思えるんです。

ある人から見れば、しっかりした頼りがいのあるお母さん。

でも別の人から見れば、厳しく怖いお母さん。

こんな風に、同じ人物でもどういう印象を持つかは、受け取る側次第なんです。

人の性質って、受け取り方次第で、ポジティブにもネガティブにもなってしまうものだと思います。

そういうわけで結局のところ、「月星座」の性質は、母親に起因しているというより、子供が引き出している、と考える方が当たってるんじゃないかな、というのが今の私の意見です。

だから兄弟でも「月星座」は異なるし、その性質の元は確かに母親の中にあるんですけど、母親からすれば、その要素は自分の一部に過ぎないものなのだと思います。

「え、ここ取っていくの!?」みたいな性質を、とっていかれることもあると思います。

だから母親側に「月星座」の責任を求めることはできないんです。

気にされてしまう方もいるはずなので、あえて書きますけど。

自分にとって必要な「月星座」の成分を、子供が勝手に引っ張っていくんです。

母親側には、選択権も拒否権もないんです。

お陰様

何が言いたいかと言うと、今の世の中って「毒親」とか「親ガチャ」っていう言葉に象徴されるように、親がカギを握っているかのように、語られがちだと思うんです。子供の人生に対して。

子供っていうのを、「自分」って置き換えてみてもいいんですけど、ついつい思っちゃうじゃないですか?

もしも「もっと理解のある親の元に生まれていたら」もっと社交的になれたんじゃないか、とか。

もしも「もっと裕福な家庭に育って、習い事や留学ができていたら」もっと楽に暮らせていたんじゃないか、とか。

もしも「親がもっと無条件の愛を与えてくれてたら」もっと自信を持てたんじゃないか、とか。

いろんな人の「月星座」と、それが人生に及ぼしている影響を見て、私が理解したのは、残念ながらそれはファンタジーに過ぎない、ということです。

人生の物語は、そんな単純な話には、なっていないということです。

むしろ理想的で、非の打ちどころのない親御さんの方が、自我の確立を困難にする、大いなる壁になってしまうかも知れません。

私たちは、脳みそ的には「二元性」の世界に生きています。

善と悪、明と暗、快・不快など、対立する二つの概念で、物事を整理して認識していきます。

成長すれば、もっと柔軟にグレーゾーンを理解できるわけですが、最初は何でも少し極端な対立構造を作って、物事を理解していくわけです。

そう言う意味で、「自分が自分である」という自我を確立するためには、自分と対立する「悪役(ヒール)」が必要なんです。

私と言う存在が立ち上がってくるためには、壁になってくれる人が必要なんです。

「スターウォーズ」で「ルーク・スカイウォーカー」が、勇者になるためには、「ダースベイダー」という悪役が必要なように。

悪役と戦うことで、主人公は「フォース」を手に入れて、自分が何者なのかを知っていくわけです。

おそらく心理学の父フロイトが、「父殺し」の神話に着想を得て「オイディプス・コンプレックス」という考え方を発表した頃には、その「悪役」はわかりやすく「父」が果たしていたんだと思います。

抑圧者としての「父」を乗り越えることで、一人前になるロールモデルは、昭和のドラマや小説の世界では、良く見られるものだったと思います。

時代の変遷とともに、それが変わって行ったんだと思うんですね。

「父性」が社会の表舞台から退潮していった結果、今その「悪役」を果たさざるを得なくなっているのは、おそらく「母」なんだと私は思っています。

子供を養育して、さらに「ダースベイダー」役もやらなければいけないなんて…本当に頭が下がります。

だから、そういう意味で言えば、すべからく「毒親」になってしまうようになっている、とも言えるんです。

たとえ理想的な、理解のある良い親をやれたとしても、それ自体が子供にとっては、自我の確立や自立を難しくする要因になったりします。

分かりやすく悪役を演じられることより、安心安全で囲い込み、「精神的なへその緒」をずっと切らせないことの方が、はるかにキツい仕打ちなのかも知れません。

大人になってから何が一番辛いかというと、いつまでも「精神的なへその緒」が切れないことなんです。

自我の確立ができないことで、人は苦しむんです。

そういう意味では「お陰様」なんです。

時に「悪役」を果たしてくれて、自我の確立を促してくれる人がいるおかげで、人は自分の人生の主人公になれるんです。

裏面に「陰」があるから、表面の「陽」が成立するんです。

こう言う視点で見てみると、ご自身の周囲の人間関係を、これまでとは違った角度から、理解することができるかも知れません。

最後に

子供時代の親子関係で受けるダメージの深さは、それぞれ違うので、一般論で何もかも一緒くたに語れないことは、もちろん理解してます。

本当に苦しい家庭環境で、子供時代を過ごされる方もいると思います。

今回書かせていただいたことは、あくまで私が観測してきた範囲で見出せた「母への葛藤と月星座」の話、です。

でもどんな環境であっても、何歳になっても、大事なことは共通している気がするんです。

それは「自分の元に人生の主導権を取り返す」と言うことだと思います。

そう言う意味で、こう言う見方もあるんだなーと受け取っていただけたら、幸いです。

いちおう付記しておくと「月星座」の捉え方は、占星術の世界でも、解釈が割れている部分があります。

私の考え方はこちらの記事にまとめてますので、ご興味持たれた方は、合わせてお読みいただけたらと思います。

、、と言うことで今回、だいぶ長文になっちゃってごめんね🙏

でも、なかなか深かったでしょ?

実際のホロスコープを読み解くと、もっと具体的に、無意識の世界で自分を縛っているものが何なのかを、知ることができます。

自分自身を解放するための道すじも分かります。

もしご興味ある方は、星読みをご依頼いただけたらと思います。

と言うことで、今回も最後まで読んでくれてありがとー!

Thanks!



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